シッタカブリオーネ

虚言・妄言・支離滅裂

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『連絡放置』

学校からのお知らせのプリントを、いつも私は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
教科書やノートの類はすべて机とロッカーの中に放置していたので、下校時に鞄を開ける機会がなかったためだ。そのせいで何度か問題が起きたりもした。家庭訪問や修学旅行の積み立ての連絡をしなかったため、多少悲惨な出来事にも見舞われた。それでも私がきちんとプリントを渡すようにならなかったのは、何らかの信念や計略があったためではなく、単純に学習能力がなかったためだろう。

忘れられたプリントは学期末にまとめて捨てることになる。しかし最も長い二学期に溜まるその量は尋常ではなく、変形変色は当然のこととして、机の金属部分と木製部分に挟まって取れなくなっていたりするのでタチが悪い。その上机の引き出しが飽和状態になったためロッカーもプリントでいっぱい、ということも度々あった。
そんなことになるくらいなら、その前に、あるいはもらった段階で捨ててしまうのが賢いやり方だったのだろう。けれど私は律儀な馬鹿であったため、学期末前に捨てるなど言語道断であると考え、保存しておくことでプリントを制作した先生の顔を立てさえいると思っていたのである。本当に、我ながら馬鹿極まりない。

あれは小6の二学期末だっただろうか。放課後、私はクラスの友人Oに手伝ってもらいながら年末恒例の居残り掃除をしていた。プリントの中には例え期限切れであっても、渡さないとまずいことになる大事な物があるらしい、ということはその頃漸く理解できるようになっていた。私はOと共に選別をしながらプリントを捨てていたのである。
「これ、何だろう」
ロッカーを担当していた彼が茶封筒を片手に近寄ってきた。私はそれを受け取った。封は糊付けしてあって、まだ開けられていない。なにやら大事そうな物に違いないが、私は迷った。
重要なプリントへの対処は二通りある。謝ってでも親に渡すか、捨てて知らない振りをするか。むろん私としてはなるべく後者で対処したい。判断は、伝えない場合、後に先生から連絡が直接行くなどして問題が発覚してしまうか否かによって決定する。つまりプリントの内容によって判断が下されるわけで、糊付けされた封筒などは困ってしまうのだ。
封を開けてしまって良いものだろうか……。
封を開ければ中が読める。けれどそれが渡すべき物だった場合、四つ折りの跡がついたプリントを渡した時点で、“勝手に人の手紙を読んだ”という別の罪により罰せられるのは明らかだ。しかし、だからといってこのままこの茶封筒を渡せば、誤魔化せるはずだった程度の内容で怒られることになるかもしれない。それはそれで悔しい。

結局私は封を開けることにした。怒られずに済む可能性に縋りたかったし、中身を知りたいという好奇心もあった。
なるべく後から再度糊付けできるように慎重に開けようと試みたが、それは失敗に終わった。破れた封筒はもう使えないだろうから、私はそれをゴミ箱に捨てた。そして、プリントに目を通した。
「なんて書いてあった?」
興味深そうに覗くOに私はプリントを手渡した。
「心電図検査の結果?うわ、再検査じゃん!大丈夫?」
そんなもん知るか!と普段なら言ってやっただろうけど、そのときの私は動揺してそれどころではなかった。
当時の私と言えば、健康なことくらいしか取り柄のない万年元気君である。小学校に入って以来風邪さえひいたこともなかったし、冬でも半袖のシャツを着ていたほどだ。それなのに、再検査だなんて……。

正直に言えば、もう死んでしまうに違いないと思った。そういえば某マンガの、頭髪を一瞬で黄色に変える超猿人間でさえ、心臓病に倒れたのだ。私も同様に死ぬに違いない。助けてトランクス!と叫んだところで未来から誰もやってきてはくれない。仙豆と称して金平糖をむさぼり食ったところで、戦闘力は半分しか回復しない。

私はショックを受けたけれど、結局そのプリントを親に見せることはしなかった。家に持ち帰り、そのまま自分の机の奥に封印した。現実を受け入れたくなかったし、自分が病気でもうすぐ死んでしまうということを親に知らせるのは、申し訳ないような恥ずかしいような気がしたからだ。それにどうせ死ぬなら入院などせずに、学校に通っていたいと思った。できることなら卒業式までもって欲しい、なんてことまで本気で考えた。


けれどまあ、これが読まれている時点で、私がまだ生きていることは明らかだ。私は死ななかった。心臓に何の異常があったのかは未だにわからないが、翌年の心電図検査は普通にパスできたので、きっと何でもなかったのだろう。
さて、なぜこんなことを思い出したかというと、本日実家から電話が来たからだ。

「あんた、机の中に心電図検査の結果が入ってたけど、どういうこと?再検査って書いてあるじゃない!」

いや、あの、母上。いくら実家を出ているとは言え、勝手に息子の机をあさるのは、むしろどういうこと?

「あんたが大掃除に帰ってこないのが悪いんじゃない!」

……どうやら、昔話にケリを付けて、現在におけるプライバシーや仕事についてを議論せねばならないようです。それでは、この辺で失礼します。

とっぴんぱらりのぷう


━━━━━━

"第八回雑文祭"参加作品

・縛り
|書き出し: ○○は、机の引出しの奥に忘れていたものだった。
|結び: とっぴんぱらりのぷう。
|条件: 金平糖を文章のどこかに入れる。
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  1. 2007/12/26(水) 02:33:44|
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『不適切な雑文がありますことをお詫び致します』

書き出しは、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
えーと、それから、縛りは金平糖を文章のどこかに入れる。
で、最後に結びのとpってオイっ!
終わってしまうじゃないか馬鹿やらう!

・ええ、ええ、わかってます。これから真面目に書き出しますよ。ちょっとした確認じゃないですか。若年性痴呆をナメないでくださいよ。

─────

原因は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
結果はご存じの通り、金平糖だ。
とっpオイっ!
また三行で結ぼうとしてるじゃないかダアホ!

・ええ、ええ、わかってます。こんなの冗談に決まってるじゃないですか。イヤだなもう、被害妄想は。

─────

*は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
*がなにかって、そりゃ金平糖のAAですよ。
とっぴオイオイオイっ!
この低賃金労働者!AAですよじゃねえよハゲ!つうか先行き不安なほど捻りがねえよ!

・大丈夫ですよ。これからが本番ですよ。たぶん。

─────

お前は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
でももう忘れたりしない、愛しているよ金平糖。
とっぴんゥオイ!
さっきのとちょっと方向が同じじゃないか!?もう尽きたのか!

・平気ですよ、最初から無いものは尽きませんから。

─────

今年の流行語大賞は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
会場には沢山の金平糖ファンが押し寄せ、大変だった。
それはさておき、とっぴんぱォィ!
意味がわからないし、なんだその結びの逃げ方は!?何にでも使えるじゃないかボケ!

・何にでも使えるからって責めるのは、間違っていると思います。それから小さいォとィを並べたら、発音に無理が出ます。
─────


ははは、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。だと?
笑わせてくれるね、この金平糖野郎!
アンタなんか、とっとととっぴんぱオォイ!
お前こそ笑わせてくれるな!ていうか雑文をナメるな!雑文に謝れ!雑文に土下座しろ!!

・あの、意味がわかりませんが、大丈夫ですか?

─────

金は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
平造にはそれが許せなかった。
糠漬けを彼にぶつけたのは、つまりそういうわけさ、とっぴんぱらりオイイイイ!
金ってキムか!?わかりづらいぞ!大丈夫か!

・何ですか、その優しさ。気色悪いなあ。

─────

彼の名は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
彼の好物は、金平糖。
そして座右の銘は、とっぴんぱらりのオオオォイ!
発想がだいぶ苦しいぞ!もうこの辺で謝っておけ!す い ま せ ん で し た!ほら、言ってみろ!

・苦しいって言うけど、それ以前に、ツッコミをリタイアしてるでしょ。それでいいの?

─────

彼女の担当は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
私は金平糖を何とかするから。
それでアナタにお願いしたいのは、とっぴんぱらりのぷオーイ……。
いや、もういいか。疲れたよ、叫ぶのも。あとはもう、好きにしたらいい。

・見捨てんな!三人そろえば雑文祭も乗り切れるよね!とか言え!言ってくれ!
言ってくれよ……。

─────

僕にとって彼は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。
つまりそれくらい大切だって気づいたんだけれど、でも砕かれた金平糖みたいに、何もかも手遅れなんだ。
僕に結びの言葉を言う資格なんてない。
だからもう、なにも言わない。


─the end─


この雑文は、机の引き出しの奥に忘れていたものだった。コーポレーション、
暮らしの未来を見据える金平糖と、
ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。

(株)とっぴんぱらりのぷう



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"第八回雑文祭"参加作品

・縛り
|書き出し: ○○は、机の引出しの奥に忘れていたものだった。
|結び: とっぴんぱらりのぷう。
|条件: 金平糖を文章のどこかに入れる。
  1. 2007/12/22(土) 21:15:15|
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『忠犬八号起動試験中』


「ごめんごめん、待った?」
「ああ、待ったよ。三時間程度」
「あっはっは、チョーウケるー」
「何が、可笑しいのかな」
「あ、あれ?変だな。今時の若者相手なら、何でもウケるって言っとけば八割方うまくいくって、教わったんだけど」
「じゃあ今回は残りの二割のケースだったんだろ」
「あっはっは、マジウケるー」
「…………」
「ごめん」
「まあ、いいけど」
「しかしキミの人の良さはかなりのものだよね。まったく、頭が下がらないよ」
「下げればいいと思う」
「忠犬ハチ公もビックリだね。ビックリ人間大賞だよ。この既知外」
「お前は褒めたいのか、貶したいのか」
「遊びたいのっ」
「だよねー……、俺もう帰るわ」
「えー」
「何なんだよ、いったい!急に大事な用があるからって呼び出しといて、思いっきり遅刻するわ反省の色はないわ。遊びたいだって?お前は一人、脳内で遊んでろ!」
「待って待って、ごめんってば。……Stay!Sit down please!Please,ハチ!」
「ハチって呼ぶな、このタワケ!」
「まあまあ、何だかんだ言って待ってくれる、優しい友人だよ、キミは」
「お前、いつかホントに友達無くすからな」
「あっはっは、ウケるー。つうかいっそ笑えなーい」
「……で、これからどうするわけ」
「まあ立ち話もなんだし、どこか座れるとこに行こうか」
「うーん、こんな時間に飲み屋もなんだし……、この辺って何かあるか?」
「あ、焼鳥屋」
「焼鳥?」
「でもなー、どうしよう。ほらキミってさ、ヤキトリを串ごと食うタイプでしょ?」
「いやいやいや。勝手なキャラ付けすんな」
「まあ、人間になったの最近だし、仕方ないとは思うけど」
「俺はハチじゃねえ!」
「ホントはね、今日は博物館に行こうかと思ってたの。ほら、前に話したことあったじゃん」
「ああ、チケットが手に入らないとか言ってたやつ?」
「そうそう。でも今の世の中ネットで大体手に入るからね」
「転売屋から買ったのか」
「ヤフオクで、期限が切れそうなのを投げ売りしててさ。二百円で買ったよ」
「安っ」
「ほら、ケータイで検索してみな、四・五・八枚は投げ売られてるから」
「いや、つうか何その数え方?」
「普通でしょ?あ、じゃあさ、ちょっと1から数を数えてみてよ」
「はあ?……1・2・3・4・5」
「オヤジ、今何刻だい」
「十八時七分」
「8・9・10・11……、ね?」
「ね、じゃねえよ」
「まあ、そんなわけでチケットを手に入れたまでは良いんだけどさ」
「流すなコラ」
「でもほら、博物館とかって正直、他人となんか行きたくないじゃん」
「……あ?」
「そんなこんなで今日一人で行ってきたから。感想、聞きたい?」
「待って。……もしかして、今日お前が凄まじく遅刻した理由って、それ?」
「どれ?」
「死ね」
「待て」
「お前、本当に、いい加減にしろよ」
「わかってるよ、でも、いい加減がわからないの」
「…………」
「……まあ、それは良いとしよう」
「……あー、そういや、そもそも何が置いてある博物館に行ってきたんだ?」
「うんとね、剥製」
「剥製?」
「そう。上野の国立科学博物館の剥製とか、目黒の寄生虫館の剥製とか」
「待て。それは、いわゆるミニチュア……、でもミニチュアにするにしても、なんだその選択」
「えー、ミニチュアじゃないよ剥製だよ。もう今にも動き出しそうな感じで、生き生きしてたし」
「そもそもその建築物共は生きてないし、動かねえよ」
「うーん、じゃあ何だったんだろ。もしかして幻覚?」
「お前が言うと、笑えねえ」
「あ、もうこんな時間。ごめん、今日七時からバイトなんだ。そろそろ帰るね」
「はああああ!?」
「仕方ないじゃん、仕事なんだから。寂しいのはわかるけどさ。まあ、待ちたければ待っててもいいけど、五時間ほど」
「ふざけるな」
「現代に甦ったハチ公とは、まさにキミのことだね、まったく」
「もう、いいから、消えてくれ」
「じゃあ、バイバイ」
「待て、なんだその変な顔」
「え、ヒョットコの真似。言っとくけど、監督とか阪神とか全然関係ないよ?」
「聞いてねえ。いっそお前は、竈に突っ込んで燃え尽きればいいと思う」
「あっはっは、スゴいウケるー」
「……」
「……帰れ」
「お前が言うな!」


"大ハチ公雑文祭"参加作品
  1. 2007/09/25(火) 03:22:27|
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