シッタカブリオーネ

虚言・妄言・支離滅裂

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【近未来】

 走れ、と誰かが言った。周りに眼をやると、どうもみんなそれを肯定しているらしい。そうとも、走るべきだ。僕もそう思った。走らない自分を観ながら。
 走らないでいる理由は怠惰以外に何も無い。怠惰は否定されるべきだし、それならば走ることはもっともだ。
 けれど、僕はいつまでたっても走らなかった。浮かない顔を地面に向けたまま。

 走れよ、と誰かが言った。強い声、非難めいた、愛情溢れる罵声だった。言葉は強い打撃を僕に与えた。けれど倒れもせず、それどころか身じろぎもせずに僕は立っていた。丁度同じだけの強さの打撃を内側から食らいながら。
 走れ走れとみんな言う。みんなみんな走っていく。
 どこへ行くの、と僕は訊きたい。どうして行くの、それがわからない。
 誰が教えてくれた?どうすれば教えてくれる?知ってるんだろ、みんな。ずるいや。

 走れ、と誰かが言った。哀れむような顔をしていた。走ればよかったのに、と言われた気がした。その通り、もうすっかり過去形だ。
 遠い遠いどこかへ行ってしまったあなた方、でも僕は感謝してるんだ。
 いつまでもいつまでも走り続けてほしいって、祈ってるんだ。
 そしていつか、辿り着いたら聴かせてほしいんだ。
 どこへ辿り着いたのか、何を手に入れられたのか。
 そして走ってきた道のまっすぐ後ろに向かって、瓶詰の手紙を投げてください。
 それを読むのは僕ではないかもしれないけれど。
 きっときっとお願いします。
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  1. 2009/06/21(日) 04:16:09|
  2. 断片
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