シッタカブリオーネ

虚言・妄言・支離滅裂

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煩わしい・鳥の糞

えー、ワタクシ、幼い時分に剣道を習っておりまして、週に二度ほど古びた村立の体育館で稽古を行うのですが、いかにしてさぼってやろうかと、まあ、毎回そんなことばかり考えておりました。
そんな風でございましたから、体育館に着いても稽古よりも友人達とふざけて遊んだりすることばかりに熱中して、時に羽目を外しすぎるあまり先生方から叱られることも少なくありませんでした。
今となっては良い思い出、とひと括りにして片づけられるほどワタクシは未だ成長できてもおりませんが、いつか大成した暁には、あれらの経験のお陰でもあるのだと肯定してやりたい記憶達でもございます。


さて、あれは今の時期のように暑い、確かそう、夏のことでございました。
日が沈みかけてもなお涼しいとは言い難い体育館の中で、ワタクシたちは稽古までのひとときをサッカーボールを追いかけながら過ごしておりました。
築何十年かわからない古くさい体育館です。
無論、室内で球技をするようになど配慮されてもおらず、窓も薄っぺらなガラスが填められているだけで、風が吹けばカタカタと音を立てるいかにも脆いものでした。
そんなところでサッカーをしていれば、いくら子供が非力だといっても、いつかガラスを割ってしまう、それがお約束というものです。

そんなわけで、不運にもワタクシの蹴ったボールはガラスを割ってしまいました。
そんなとき恥ずかしながらワタクシは、卑怯で頭の宜しくない子でしたから、キーパーに「お前が取れなかったのが悪い」と言ったり、仲間のフォワードに「お前のパスが悪かった」、さらにボールの持ち主に「これはボールのせいであり、お前の責任だ」等々、本当にどうしようもない阿呆な言いがかりで自らの責任を免れようとばかりしておりました。
そんなことをしているうちにも刻々と稽古の時間は近づいてくるのでありまして、何の対処もガラスの片付けもせぬまま、やがて先生が体育館に光臨なさってしまったのでございます。

先生にまず言葉と運動エネルギーによるお叱りを受けた後、ワタクシたちは二時間ほど体育館の入り口で正座をさせられることとなりました。
この体育館の入り口というのがなかなかくせ者で、なにぶん田舎の建物ということもありまして、鳥達がそのちょうど上の部分に巣を作って居座ることが頻繁にありました。
そのため、その下の、すなわちワタクシたちが座らねばならない場所には、白い鳥どもの糞が何かの模様を描くように、びっしりこびり付いているのでございます。
ここに正座をするのは、バカな子供にとっても屈辱的な、ある種拷問に近いものでありました。


さて、しばらく正座をしておりますと、初めは反省の気持ちでシュンとしているバカどもですが、だんだん神妙な素振りにも飽き、先生に見つからない程度に隣同士小突きあったりするものです。
しかし局所的には小規模であっても、それが複数の箇所、さらには全体、どいつを見ても隣の奴とふざけているとなってしまえば、あっさりと喧しさの程度は見つからない程から見つかる程へとなってしまうものでございます。
鬼がガキどもを吼え、ワタクシたちが震え上がった瞬間、ああ、ついに最悪の悲劇がワタクシを襲ったのでありました。


すなわち、鬼に恐れをなした鳥が巣から飛び立ち、そのとき、ワタクシの頭に、新たな模様を描いていきやがったのでございました…。
ワタクシ、剣道の匂いには慣れており全然気にしませんが、それはすなわち臭いもの全般を克服することと同じではないのだと、そのとき悟りました。
水で洗っても落ちないどころか、手にまでまとわりつく不快感。
そしてその後、面を着け稽古をしたときに味わった地獄は、きっと生涯忘れないでしょう。


今にして思っても、また、今後大成し幾らかの過去を肯定できる日が来ても、永遠にあの匂いは凄まじい吐き気を伴って、
どんなにどんなに洗っても、ワタクシの記憶に、悪しきものとしてこびり付いたままでしょう。

ああ、気色悪い。
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  1. 2007/08/16(木) 03:49:32|
  2. 嘘八百並べ立て祭り
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