シッタカブリオーネ

虚言・妄言・支離滅裂

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《13.さらら》

ペットショップの前で、一匹ずつ子犬に名前を付けた。
今日は日曜日。
空が忌々しいくらい晴れ渡っている。
家族連れや、恋人同士とおぼしき男女とすれ違うたびに、軽く呪詛を吐く。
けれど今日はなんだか心も晴れやかだ。
公園までの道をキチガイのようにふらふらと歩く。
行き交う車の騒音も幻想へ誘う音楽みたい。
轢かれてしまおうか!
きっとそれさえ心地よい、吹き飛ばされるイメージの自分が風のように舞う。
横断歩道、白だけ踏んで、誰にも気づかれない至福のステップ。
弱り切った街路樹も堂々と絶望している。
代わりに叫んで、思い切り泣いてやろうか!
さ、あ、ら、さ、ら。

公園の中は騒がしい木漏れ日でいっぱい。
子供たちの叫び声、利己的な笑い声。
なんて気持ちの良い不快感。
そうだ、今日は日曜日なんだ。
犬たちも散歩している。
その可愛らしさ!
ああ、キミたちこそ生きるのに相応しい。
おめでとう、ありがとう!
生まれてきて。
さようなら、さようなら!
生まれてきて。
靴ひものほどけたまま快活に歩く老人。
古く死にかけた体内は、きっと廃工場のように美しい。
なぜだろう、あくびが漏れる。
それだから、涙が出る。
ベンチの脇に看板がある。
近隣住民の願いです、野良猫たちが飢えて死ぬ様をどうか見過ごしてください。
そんな意味の言葉が目に入る。
近隣住人は、きっと神から、この周辺の生き物を統括するよう承ったのだ。
気にすることはないさ。
生き物は飢えずとも死ねるのだから。
それにしても見事な晴天じゃないか。
木陰が私の影を包む。
私の影は、私よりずっと愛されている。
だから私は木陰への愛を断ち切らなければならない。
それがルールだ!
さ、あ、さ、ららら。

明日は雨が降るだろう。
さもなければ明後日。
あるいは雨の降る場所が私だろう。
そうやって今までも生きてきた。
明日も、明後日も、きっと私は生きるだろう。
なんて気怠い。

子犬の名前はすっかり忘れた。
私よりずっと立派な名前だったのに。
それもしかし、日曜の公園というものの定めだ。
すべては重力に従い、みんな太陽にひれ伏す。
おまけの虚無感だ!
暖かな虚脱感、こっそり逝った細胞たちの覚めやらぬ宴!
ぐるぐると感覚がかき混ぜられる、眩暈がする。
さらら、さらさら、ららら、さら。
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  1. 2007/10/29(月) 03:51:40|
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